呼吸困難

病気は多いですが、前向きに生きていきます。目下の課題は重症喘息のコントロールです。

入院6日目〜入院中の1日ルーティーン

日々息苦しさと格闘しており、サーチばかり測っては一喜一憂していた。
私の頭の中は「酸素飽和度」一点集中。
「93%あって安静にしていれば苦しくない」


だがふと気がつく。
「頭が痒い」


最後にシャワーに入ったのは、9月26日。6日間体は不潔のままだった。
6日間も頭を洗わないなんて、初めてじゃないかな。
あちこち内臓の手術はしているけれども、割と早々にシャワーには入れたと記憶している。


看護師に「頭洗いたいんですけど」と言った。医師に確認してみるとのこと。
「にゃーさん、入浴許可出ましたよ!」
ありがたい。
入浴は介護さんに介助してもらって、酸素付きで入る。


ほどなく介護さんが来た。
「浴室で着替えますか?」「立ったまま着替えるのは自信ないです」「じゃあベッドで脱いで、体にタオルケット巻いて、車椅子で浴室に行きますか」
計画が立ったので、さっそく新しい下着を出す。
シャンプーとコンディショナー、洗顔も用意した。
車椅子を持って来た介護さんが
「ごめんね、病院のリンスインシャンプー使ってもらっているの」
「ああそうなんですか」
シャンプー類はベッド上に放置で、素早く衣類を脱ぐ。結構息苦しい。
すぐに介護さんがタオルケットで全身を覆ってくれ、スピーディーに車椅子を走らせた。


浴室で裸になり、そろそろと転ばないように浴室用の椅子に座った。
首を下げ、頭を自分で洗った。リンスインシャンプーは質も香りも良くない。
洗い流すと髪がギシギシ指に引っかかる。
高級ホテルじゃないので、一番安いものを使うに決まっている。
顔は、固形石鹸を使う。牛乳石鹸だろうか。
「じゃあ、前側を洗ってもらえますか?」
ボディーソープで泡立ったタオルを渡されたので、胸、腹、裾、足を洗った。
その間介護さんは背中や脇を洗ってくれた。
「ちょっと立ってもらえますか?」
立ち上がると、お尻を洗ってくれた。
ピンポイントで特に汚染しやすそうなところを丁寧に素手で洗ってくれた。
なんだか申し訳なかった。


シャワーで泡を流したら、息が上がった。
「浴槽に浸かるのはいいです」「そうなの?じゃあちょっと待って」
浴槽から熱いお湯をすくい、5〜6回もお湯を背中にかけてくれた。
温まった。


シャワー後またタオルケットを体に巻いて、自室のベッドへ戻った。
「後で髪乾かす人来るから」
そういうと、はやてのように去っていった。 
時計を見ると11時20分。
なるほど、昼ごはん前までに全工程を終わらせなければならない。
私はソルメドロールの点滴が終わってから点滴チューブを濡れないように覆って入ったので、順番が後半だったのだ。


着替えも手早くはできなかった。パンツを履いてはハアハア、シャツを着てはハアハアだ。
なんとかパジャマまで着終えたところで、髪を乾かしに来てくれた。
「ずっとパーマかけているんですか?染めているんですか?」
「入院前に何年振りかでパーマをかけたんですよ。毛染めは美容室では2ヶ月に一回、間に自分で染めますね」
たわいない話をしているうちに、乾かし終えた。
お礼を言ったらちょうど昼食が来た。昼食は11時50分ごろ来る。
とても疲れていて、昼食は半分も食べられなかった。
サーチ93%。


ベッドをフラットにすると、息苦しいので大体30度ギャッジアップで寝ていた。
ウトウトしていた。
13時半頃、トントンと肩をつつかれた。理学療法士さん。
「さあ、リハビリへ行きましょう」
断れなかった。
よろよろ上靴を履いて立ち上がり、酸素チューブをボンベに繋いで一緒にリハビリ室へ向かった。


「今日は負荷を多くかけましょう」
いや、シャワー入って着替えたから、すでに負荷はかかっている。
椅子の背もたれに捕まって、スクワット20回。マジ!
高性能のサーチを装着して開始。
太ももよりふくらはぎがだるい。
かなり筋肉が落ちているのがわかる。
「にゃーさん、辞めましょう」
スクワット12回めでストップがかかる。
「サーチ88%ですね。スクワットは今日は辞めましょう」
座るよう促される。肩呼吸になっている。
「午前中何かしました?」「シャワーに入ったんです」「なるほど。じゃあ軽く伸びをして終わりましょう」


行きも帰りもノロノロ点滴棒に捕まりながら歩くから、時間がかかる。
「じゃあ、明日もよろしくお願いします」
明るく理学療法士さんは戻った。


バッドに座って酸素チューブを部屋用に替える。つまり酸素2ℓから1ℓになる。
サーチ92%。微妙だが、まあナースコールしないでおこう。


あらかじめ許可をもらっておいた無糖のアイスコーヒーを冷蔵庫から取り出し、カロリーゼロのパルスイートを入れてかき混ぜて飲む。ホッとする。
私は抗うつ剤で体重が増加した上、自己免疫性肝炎でプレドニンを結構飲んでいたので、Ⅱ型糖尿病になった。だがもう何年もHbA1cは正常値だ。飲み薬1日1錠で事足りている。
かかりつけ医からも食事制限は言われていないが、ここの医師は間食禁止にした。
だが、味気ないおかずではご飯が進まない。それで少しの塩辛と、無糖コーヒー、カロリーゼロのパルスイート、あめは許可が降りている。


コーヒーを飲んでいたら、新患さんがストレッチャーで入って来た。
4人ほど看護師と介護さんが来て
「行くよ、行くよ、いい?1、2、3!」
患者さんを持ち上げてストレッチャーからベッドへ移した。
「寒くないですか?」「さ、むい」「今お布団持って来ますね」
介護さんの1人が部屋を出た。
もう1人の介護さんと看護師2人でパジャマに着替えさせている。
あと1人の看護師は、採決の準備をしている。
スタッフ全員、テキパキ動いていた。


「私は…」
15年前は、あの立ち位置にいた。テキパキ動けていた。
「うつ病にならなければ、自己免疫性肝炎にならなければ、腰を痛めなければ、呼吸困難にならなければ…」
元気なスタッフが眩しかった。


今回の入院で、一気に老化が進んだように思える。
今までも幾度となく入院を繰り返してきたが、手術が終わればとっとと帰りたかったし、入院中随分暇を持て余した。
それが今回はどうだ。
朝起きて、点滴とリハビリをして、気づけば夕飯が来て、点滴が済んだら消灯だ。
さらに言えば、家に帰りたいと思わない。
外を歩く自信がない。料理を作る自信がない、苦しくても酸素は家にない。気力もない。
おもむろにスマホを手に取り、娘にLINEした。
「ママはもう、以前のママじゃない」


うつ病の初期の2年間は、希死念慮に悩まされた。
苦しくて、とても生きていられないと思うのだ。
今は私に合った薬を処方してもらっており、うつ状態は落ち着いている。
だが、病気を調べれば、良いことはあまり書いていない。
何の病気にせよ、余命が5年以下だ。
「あの時電話しなければ…」
苦しさのあまり、夫と娘に電話した。
電話などしなければよかった。


そんなことを考えていたら、新患さんは全ての処置が終わったようだ。
高齢の方で、耳が遠い様子。
私はiPadでネットを見始めた。
テレビは嫌いだ。ネットニュースで事足りる。
心が弱っている今、好きな音楽も聴きたくない。


夕食が来た。
おかずはまずいから、塩辛とすまし汁で食べ終える。
ものの5分で終了。
歯を磨く。
Yahoo!知恵袋で知り合った友達2人とグループラインでやり取りする。
就寝前にトイレに行き、睡眠薬を飲む。
消灯。


これが短い入院中の間のルーティーンだ。


…………………
今1日2つ単位でブログをあげている。
なぜならXデーが近いから。
11月1日、総合病院の呼吸器科受診。
検査をするだろうか?採決とX-Pくらいはしそうだな。
あと、1日分の飲み薬を持ってくるようにもらったパンフレットに書いてある。
何をするかは書いていない。
11月1日、受診時の記録をあげたいのだ。
それで急いでいる。
疲れた。

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